老子の「小国寡民」と参院選

周知のように、先日の23日英国で行われた「欧州連合(EU)からの離脱の是非」を問うた国民投票で、離脱派が残留派に僅差で勝利し、英国はEU離脱の道を歩むことになった。さらに、英国の各地域(ロンドンやスコットランド)にも英国から分離独立を目指す動きがあり、下手をしたら300年に渡る「英連合王国」はばらばらに分裂してしまう可能性も無きにしも非ず、といった状況だという。

さて、中国古典『老子』第80章には「小国寡民(国土が小さくて、人口が少ない状態)」が理想郷として描かれている。国土への移民の大量流入を制限するためEUからの離脱を選択した英国は、将来的な国家のあり方としてこの「小国寡民」路線を志向したのだと言えるかも知れない。

ここで話を日本に移すと、私は「小国寡民」はこれからの日本の将来像にも当てはまると思う。日本は今後国土(の大きさ)こそ変化はないものの、国力(≒国家の経済力)は超高齢社会を迎え、生産年齢人口がどんどん減少していくことで衰退せざるを得ない。日本は幸か不幸か英国と異なり移民を大量に受け入れるような国家ではないので、人口の減少と国力の衰退はこれから加速度的に進行していく。

その一方、お隣の中国は米国と並んで世界の覇権を狙うような(日の出の)状態なので、日本人の中にはやるせなさを感じる人もいるかも知れない。しかし、だからと言って日本が中国と同等に世界で張り合おうとするのは我が身を損なうだけだと思う。国の勢いの差はいかんともし難い。

個人的には日本も英国と同じく「小国寡民」を目指せばいいと思う。いや、目指す目指さないとに関わらず日本という国はかつての経済成長期の頃と比べると「小国寡民」の状態に近づいていくのだけれども。7月の参院選が近くなっているが、「大国衆民/富国強兵」ではなく「ダウンサイジング」を良しとする政治家たちに期待したい。

「上善は水のごとし(最高の善は水のような状態だ)」(『老子』第8章)

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