孔子は父母を老人ホームへ入れた者を「不孝」とするか?

儒学の開祖・孔子はその教えで「父母への孝(孝行)」を説いており、現代の中国でも親の面倒は子どもが見るべきだという意識(規範)が強いため、「体が弱ってきた父母を老人ホーム(養老院)へ入れる」などと主張すると「不孝者」と見なされてしまうかもしれない。

中国で親の面倒は子どもが見るべきという意識が強固なのは、年金などの社会保障制度がまだ不十分で介護施設も整備されていないという事情があるだろう。その点、日本ではホテル並みに豪華な老人ホームも次々に建設され、介護施設と医療機関との連携も大分進んでいるので父母を老人ホームに入所させたからと言って直ちに「不孝者」と後ろ指を指されるようなことは(都会では)随分少なくなってきている。

金銭的に余裕があって、よい(レベルの高い)介護施設に親を入所させられるような子どもはむしろ「孝行(息子・娘)」だと言えるのかもしれない。無論、たとえ親をサービスの行き届いた介護施設に入所させてもそれ以降ぱったりその施設に訪問をしなくなるような子どもは「不孝」となるだろうが…

結論を述べると、孔子が現在の日本に生きていたら子どもが両親を老人ホームへ入所させたからと言ってそれをすぐに「不孝」だとはしないと思う。理想的な介護を受けられる施設であればそれはそれで介護技術の低い子どもが世話をするよりいい面もあるわけだから。ただし両親を施設に預けた後、彼らを思うことがなくなり、コミュニケーションも取ることがなくなるような子どもはやはり「不孝」だと孔子は言うだろう。

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