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HSK試験監督官体験記2(一橋大にて)

昨日16日(土)一橋大学(東京都国立市)でHSK(中国政府認定の中国語検定)に「試験監督官」として参加した。試験監督官としての参加はこれで2回目。

朝7時過ぎに試験会場に到着。一橋大学は大学在学時代にしょっちゅう来ていたので、道順は全く迷うことはなかった。試験監督官用の待合室に入り、首から「监考(試験監督官)」のカードをかけた。しかし…

まず最初に想定外の事実を知らされた。HSKの試験監督官のマニュアルでは試験会場には原則「主任」が1人、「補佐官」が2人が入ることになっている。ところが、今回私の6級の担当教室には主任1人と補佐官1人の合計2人しか入らないということだった…私は今回補佐官の仕事が初めてで、もちろん主任の経験はない。マニュアル通りに進められるかさえ不安だったのに、最初の前提からしてマニュアルとは異なる。大丈夫だろうか…

7時半の全体ミーティングが終わるとあっという間に試験資材をもって担当教室に移動。中に入るとびっくり。教室がけっこう汚い。ゴミやレジュメが落ちているし、机や椅子の位置もバラバラで乱雑に配置されている…私は教室の机はてっきり固定されているものと思い込んでいたので、「机と椅子の移動をまずしなければいけない。ここからか…」と思ってしまった。

朝の会場設営時間はどんどん過ぎていき、気がつくと8時半を回っていた。受付は9時10分から始まり、受験生自体はもっと早く教室前に並ぶ。「これはやばい」と思った。ベテランの本部員からも「初めてじゃないですよね!?」と叱責されてしまった。

なんとか会場の体裁を整えて9時過ぎあたりから受付を開始したが、受付をしながら「この後大丈夫かな」と正直思ってしまった。もちろんそうした不安が受験生に伝わるとまずいので、受付時には「挨拶」をし「笑顔」を出すよう意識的に心がけた。やって来た受験生は私の6級の教室より隣にある2級用の大教室の方にどんどん吸い込まれていった。試験開始時間は9時半なのだが、その2、3分前になってトイレに立つような受験生がいるのでこちらもけっこう焦る。最終的に、午前中の私の6級用教室では受験生50名中1割くらいが欠席していた。

試験が始まってからのことはあまり記せないが、いろいろミスをした。試験監督官の経験がないと本来見るべきところを見落としている。一例を挙げると、回答用マークシートには年齢や国籍番号・受験番号を書く欄があるのだが、マークシートではこの部分だけ該当箇所を鉛筆で塗りつぶす作業と数字の記入をしなければならない。しかし、塗りつぶしの作業はやったものの、数字の記入を忘れている受験生がかなりいた。「しっかり注意しないとこうなるのか…」と思い、がくっとした。

主任の方は上海出身の来日7年目の若い中国人女性で、監督官の経験が豊富なので私の至らないところをいろいろカバーしていただいた。もし今回主任が厳しい方だったら私はどうなっていただろうかと思う。

午前中の試験が終わると直ちに午後の試験の設営準備をしなければならない。お昼ごはんを食べる数分の時間さえ確保できないほど忙しかった。午後は3級の受験生が担当だった。午前中と比べると少しこちらに余裕が出てきたが、身分証明書に「健康保険証」を持ってきた受験生がいて少し困った。健康保険証は本人の写真が付いていないので身分証明書としては認められず、受験票にもそれが明記してある。「他に写真付きの身分を証明できるものはないですか?」と聞いたが、「持参していない」ということだったので、申し訳ないが入室不可でお引き取りいただいた。

3級の試験では中国語の能力に余裕がある受験生が多いらしく、夏で教室の気温がだいぶ高くなってきたこともあって、みなさん試験開始後も机に突っ伏してよく寝ていた。3級は6級と比べると、監督官の作業自体も少し減るので午前の時のように冷や汗をかくことはなくなった。試験は午後3時過ぎに無事終了した。

当日は最後に「HSK試験監督官登録証」を受け取り、午後4時過ぎにくたくたになって帰宅の途についた。次回も果たしてできるかな…

HSKの試験監督官に初参加してみて

昨日12日の日曜日、東京経済大学(東京都国分寺市)でHSKの試験監督に本部員として初参加した。本部員というのは各試験教室には基本的に入らず、本部教室で各級の試験用紙の配布・回収枚数などにミスがないかどうかなどをチェックする仕事や受験生の会場への誘導を行うのがその主な役割。

私は午前7時頃に会場入りし、設営の準備を手伝った。もっと早い人は午前4時ごろに起きて始発に乗り、6時半に会場入りしたという。午前中の試験開始予定時刻は9:30。朝のミーティングで私の役割は東京経済大学に最寄りの国分寺駅前で進行方向の矢印が書いてあるカードを持って誘導係を行うことに決まった。

誘導係をしている最中2つの発見があった。1つは、私が駅前で矢印を書いたカードを持って誘導しているにも関わらず、受験生の中には受験票に書いてある会場への地図を直感的に頼り、別の方向に進んでいく方がいたことだ。会場へは国分寺駅南口を出てからほぼ左真横の道に進んでいくのだけれども、その地図を見るとなんとなく左斜め前の道に進むように思えてしまうところもある。そこで何人かの受験生の方からは確認のための質問を受けた。

もう1つの発見は、どう考えても試験開始に間に合わないだろうという時刻になってもまだ駅から下りてくる受験生がいたということだ。駅から会場までは歩いて15分位はかかるのだが、試験開始15分前になって以降も受験票を持って駅から出てくる方が数名いた。午後からの試験に参加された方に特に多かった。試験開始15分前以降になってから駅前で受験生に会場への行き方を尋ねられたときにはさすがに「タクシーに乗らないともう間に合わないかもしれません」と答えてしまった。

ちなみにHSKでは試験開始時間以降には受験生は教室に入室できなくなり、つまり失格となる。駅から会場へ戻る途中失格になったと思われる受験生が帰っていく姿を見かけたときは正直「もったいないなあ」と思ってしまった。

HSKの試験監督官に初参加予定

6月12日(日)にHSK(中国政府認定の中国語資格試験)があり、今回私は受験生としてではなく、「試験監督官」として初参加する予定になっている。自分のブログ内を検索すると今年3月に受けたHSKの試験監督官研修についてやはり記事を書いていた。この研修を受けてから3カ月ほどブランクができてしまったので多少の不安がある。しかし、受験生たちにはそれが伝わらないようにしないと…

さて話は変わるが、先日2015年の中国映画「心迷宮」を鑑賞した。中国の農村で起こった(故意ではない)殺人事件をテーマにした映画なのだが、この事件に関わった人物がそれぞれ皆心の中に公にはできない「秘密」を抱えており、そのせいで事態が思わぬ方向に発展、真相も闇の中へ?というようなストーリーが展開されていく。

この作品で事件当事者の青年の母親が言う台詞の中に、

等一会儿我们去吃流水席,你去不去?
(後でわたしたちは流水席行くけど、あなたも行く?)

というのがあった。「流水席」という単語の意味がよく分からなかったので調べてみると「客が随時に現われ食べ終わると随時に立ち去る形式のパーティー」(白水社 中国語辞典)ということだった。どうやら中国の農村では結婚式や葬式があるときなどにこうした形式のパーティー(宴会)を開くようだ。興味のある方は下のシーンをどうぞ。

「心迷宮」(2015年)。「流水席」のシーンは8:40あたりから。